
ここ10年ほどで、空間設計やプロダクトデザインでも
「カラーセラピー理論を取り入れた」というふれこみを、
よく見かけるようになりました。(2016年現在)
そのせいか、
「カラーセラピーとカラーコーディネートって違うの?」
と聞かれることがよくあります。
カラーコーディネートとカラーセラピーの違い
デザインや見栄えのために色使いをプランニングするのが「カラーコーディネート」 、
心や身体を癒すために色が持つ心理効果や色彩効果を活用するのが「カラーセラピー」です。

仕事内容を分野に当てはめると、
カラーコーディネートは意匠デザイン分野になり、
カラーセラピーは健康に関わるヘルスケア(メンタルケア)の分野になります。
そのため、同じカラーを使いこなす仕事ではありますが、仕事に必要な勉強やスキルにも大きな違いがあります。
カラーコーディネーターとカラーセラピストになるために学ぶこと
デザインや見た目のカラープランニングに興味があるのであれば色彩学やセンスを磨くことを中心に学び、
カラーと人の心との関わりやカラーがもたらす心身への影響などに興味があるのであればカラーセラピーに特化した色彩心理やカウンセリングについて学びます。
カラーコーディネーターになるための勉強
色彩学全般、配色技法、カラープランニングスキル(プランニングする対象への知識)、色彩文化の歴史や知識、センスや知識を高めるためのセルフブラッシュアップなど
※パーソナルカラー診断は、カラーコーディネートの方に含まれます。
パーソナルカラーの概念は色彩学が基本にありつつも人間の肌色がきれいに見えるという概念がベースになっている独特なシステムなので、色彩学とは別に専門的に学ぶ必要があります。
カラーセラピストになるための勉強
色の意味、心や感情反応に特化した色彩心理、色彩物理学、色彩生理学、カウンセリング技法、セラピストとしての心構えのセルフブラッシュアップ、色彩文化の歴史や知識
カラーセラピーは人の話を聴く仕事のため、色彩学や配色技法や色の識別スキルは実務にほぼ必要ありません。人の心に対しての理解を深めたりセラピストとして成長していくことの方が大切になります。
ただ、セラピーを受けに来るクライアントのほとんどは色に興味があるので、色の名前の由来や色彩文化などは色を理解する上でも色について話をするときにも役に立つことが多いです。
このように、カラーコーディネートとカラーセラピーは仕事内容としては大きく違いがあります。
カラーの仕事は言葉が知られている割に、外から見ると仕事内容が知られていなかったりもするため、カラーセラピーだけどカラーコーディネート的な仕事の依頼が来るということがあったりもします。
始まりがどちらでもカラーの勉強や知識はカラーの仕事をしていく上で無駄になることはないので、これから始めたいと思っている人は、より強く興味を持っているほうの勉強から始めてみてください。